公の場では辞めないと言っている香港政府の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は、非公開の場では弱音を吐いているらしい。
「とてつもない混乱を起こしてしまったことは、行政長官として許されることではない」
「私に選択肢があるのなら、真っ先に辞任して深く謝罪したい」
「行政長官は、中央政府(中国)と香港の市民という2人の主人に仕えなければならず、できることは非常に限られている」
等々。
日本なら、このように思っていたらすぐにでも辞任しているだろうが、それが許される立場でもないらしい。
香港政府行政長官の任免権は中国政府が握っており、林鄭氏を辞任させないようにしているらしいのだ。
では、これほど混乱を起こした責任をなぜ取らせないのか、つまり辞任させないのかというと、行政長官選で林鄭氏を推したのは習近平指導部で、その権威を傷つけてしまうことになるからだという。
それに、他に有力な後任も見当たらないとのこと。
香港市民には林鄭長官のこの本音は伝わったのであろうが、このことによって事態が変わることはあるのだろうか。
矛先が長官を操っている中国政府に向くという可能性も否定はできないが、香港市民の要求の中には、林鄭長官の辞任も入っているはずなので、急に事態が変わることもないとは思われる。
それにしても中国政府は、板挟みでどうにもできない林鄭長官に、これ以上何をさせるつもりなのか。
いまいち真意が読めない。
どちらにしても、香港市民と警察との緊張状態はまだしばらく続くであろう。
Kommentare