香港を混乱に陥れていた「逃亡犯条例」改正案問題が決着した。
9/4、香港政府の林鄭行政長官がこの案を正式に撤回。
やっと、と言っても良いだろう。
改正案に対する抗議デモが本格化してから約3カ月経ってからのこの決定、時すでに遅し、という感じである。
まさに焼け石に水。
6月に100万人を超える抗議デモが行われた際、林鄭行政長官は、改正案を実質、廃案にすることを受け入れるとは言っていたが、撤回までには至っていなかった。
これには、中国政府からの指示もあったようだが、この時に正式に撤回していれば、事はこれほど大きくなっていなかったのでは、という専門家の見方も強い。
この間に、デモ隊の要求はどんどん増えていき、改正案の撤回に加えて、
・林鄭長官の引責辞任
・警察の暴力に対する調査
・拘束されたデモ参加者の釈放
・民主的な普通選挙の実現
と、5項目に増えてしまった。
なぜこのタイミングでの撤回となったのかというと、来る10/1に中国建国70周年という節目を控えているため、その前に事態を収束させたいという狙いがあったようだ。
改正案撤回の表明に対し、民主派の立法会議員らは、5つの要求は一つも欠けてはならないと主張しているらしい。
香港政府としては、今回の改正案撤回でかなり譲歩したつもりであるらしいが、両者の間の溝もかなり深く、事態の収束は簡単には望めそうにないようだ。
お互いの妥協点に相当のずれが生じている限りは、今後も混乱は止みそうにない。
Comentários