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執筆者の写真Writer.katsu

表現の不自由展の中止

更新日:2019年11月3日

あいちトリエンナーレの企画展「表現の不自由展・その後」が8月3日に中止になってからしばらく経つが、芸術監督を務めた津田大介氏が朝日新聞の取材を受けていた。


その中で、激しい批判や攻撃が増大し、中止へ追い込まれた原因を次のように語っている。

1.日本と韓国の急速な関係悪化(日本が韓国をホワイト国から除外した件)

2.この企画に対する政治家の相次ぐ発言。これが原因で抗議の声が大きくなり、圧力になった

3.最も大きかった原因は、直近で起きた、35人の死者が出た京都アニメーションのガソリン放火事件。実際、ガソリンを会場に持っていくという脅しも何件かあり、トリエンナーレでもこの事態が起きることをとても憂慮していた。


津田氏はさすが早稲田大学教授であるだけに、いわばこの件の当事者であるにもかかわらず、混乱の原因を冷静に分析していると思った。


トリエンナーレをたった3日で中止したことについて、作家や関係者などからは続けるようにとの声があったようだが、発言した彼らは、続けた結果、起こるリスクについては考えたのだろうか。


特に中止に踏み切った最も大きな原因となった京都アニメーションの放火事件。

実際に、ガソリンを持っていくと脅した者も居たように、現実で同じような放火が起こったら、死者がどれだけ出たのだろうか。


犯罪予告が出て、いくら警備体制を強化するなどしてその準備をしたとしても、全く損害が、特に人的損害が起こらないという保証はない。


津田氏のように、責任者の立場であれば関係者らの身の安全を第一に考えるのは当然のことと思う。


犯罪予告を無視して企画展を続け、死者が出たら、誰がその命を返してくれるのか?


私には、企画を続けろと言った方々の声は、「死んでも良いから企画を続けろ!」と聞こえる。


企画展を抗議した方も、企画を続けろと言った方も、どちらも無責任な発言の者が多いように思えてならない。

もっと相手の立場に立って考えられないのだろうか?


もっとも、こうやってすぐに騒ぎ立てて誰かを黙らせたり、SNSでも炎上させたりするのは現代社会の特徴の1つではあるが。


中止になった時から思っていたが、どうもこういった世の中の動きについて腑に落ちないことが多い。

と言っていると、私も批判されかねないが…





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