現在、スペインで開催されているCOP25にて、原子力業界がアピールしているらしい。
地球温暖化対策について話し合っているこの会議において、原子力は二酸化炭素排出の抑止に効果的だとしている。
例えば、火力発では化石燃料を使うため大量に二酸化炭素を排出するが、原子力では、発電時に二酸化炭素を排出することはないという。
確かに、大きな発電力で二酸化炭素の排出もないようであれば、地球温暖化対策には有効であるかもしれない。
しかし、原子力を使うことによる弊害も考えなければならない。
原発を建設するためにはコストがとてもかかり、また建設期間も10年はかかる。
そして何よりもそのリスクだ。日本では福島原発でも大変な被害を受けたが、一たび事故を起こすと、その影響力は計り知れない。
また、放射性廃棄物をどう処理するかという問題もある。
第二次世界大戦における2発の原爆による多大な被害を考えてみても、日本で今後、原発を建てることは断じてあってはならない。
仮に原発を建設して二酸化炭素を抑制できるとしても、その準備や建設にかける時間を考えると、10年余りのうちに結果を出さなければならない温暖化対策には間に合わないだろう。
国内での研究では、原発を減らしても、今後の目標である気温上昇1.5度以内に抑えることは可能であると試算しているらしい。
使用する発電力は、太陽光や風力などの再生可能エネルギーを8~9割に増やし、木を燃料とするバイオマスとガスの火力発電には二酸化炭素を回収することなどで実現ができるとしている。
原子力の大きな力で地球温暖化に歯止めをかける動きには、安易に二酸化炭素の排出を抑制するという考えからのみ起こっている気がする。
原子力を使用することにより起きる危険性について、もっと考えるべきではないのか。
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