厚生労働省にて厚生年金の対象者の適用拡大を検討する動きのようだ。
現在、厚生年金の適用対象となっている事業場規模は従業員501人以上であるうえ、対象となる者は週の労働時間が20時間以上で月収88,000円以上。このうち、事業所規模を引き下げるよう検討するとのこと。
もし事業場規模が緩和され、501人未満の事業所にも厚生年金の対象者が拡大した場合はどうなるか。
今現在は厚生年金の対象になっていない、月収88,000円以上のパート労働者は国民年金の対象で、健康保険への支払いがない。
当然、老齢年金としては国民年金からしかもらえない。
これらの人たちが厚生年金の対象となれば、今まで支払わなかった厚生年金保険料や健康保険料の支払い義務が生じる。
その代わりに老後にもらえる金額は、国民年金だけでなく厚生年金からももらえるようになる。
今の手取り収入を減らしてでも厚生年金に入るか、それとも今の収入を減らさずに老後は国民年金による収入だけにするか。
もし適用要件が緩和された場合にどうするか、実際に今、厚生年金の対象になっていない労働者へアンケートを行った結果、一部、働き方を変えるという回答があったらしい。
その回答者のうち約半分が、厚生年金等が適用されるように労働時間を増やすと答え、一方、逆に厚生年金等が適用されないよう労働時間を減らすと答えた回答者も4割居たそうだ。
どちらを取るか難しい選択だが、回答者もほぼ半々に分かれたようだ。
平均寿命が長くなったからと言って、人間、いつ死ぬか分からないのだ。
老後に多くもらえるからと言って今の収入を減らされては、いざ何かあった時には元も子もない、というのが、労働時間を減らす側の考えであろう。
自分の寿命も選択できるようになれば決めやすいが、こればかりは与えられた命、自分で命を絶たない限りは自分達ではどうすることもできない。
老後のことを現役の今、悩まなければならないのも何か納得のいかない気がする。
また、先のことを自助とかいう政治にも問題がある気もして、やり切れない気持ちになる。
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